銀行に口座を持っている人が亡くなり、
銀行がそのことを知れば、
亡くなった人の銀行口座は凍結されます。
口座が凍結されれば、以後、
その口座での入出金はもちろんのこと、
引き落としについても一切出来なくなります。
そして、銀行口座の凍結期間としては、
亡くなった人の相続人が、
亡くなった人の口座の解約手続き(相続手続き)を済ませるまでです。
つまり、その銀行で相続手続きを相続人が済ませるまで、
亡くなった人名義の口座の凍結はいつまでも続くということです。
ある一定の期間が過ぎれば、
口座の凍結が解除されるというものではありません。
また、亡くなった人の銀行口座の凍結を解除するには、
どこかの銀行で1度手続きをすれば良いわけではなく、
銀行ごとに、相続手続きを済ませる必要があります。
たとえば、亡くなった人がゆうちょ銀行と、
JAバンク(農協)のそれぞれに口座を持っていれば、
亡くなったことを各銀行が知った時点で、それぞれの口座は凍結されます。
その後、ゆうちょ銀行とJAバンク(農協)の相続手続きを、
それぞれ済ませるまで、
口座は凍結されたままになるのです。
また、亡くなった人の銀行口座の凍結期間が、
あまりに長い期間続くと、
銀行によっては、支払いが難しくなることもありえます。
なぜなら、民法上、
債権(銀行に支払ってもらう権利)については、
時効が10年(ケースによっては5年)と決まっているからです。
時効というのは、10年、または、5年の間、銀行に対して、
亡くなった人の預貯金の支払いを請求しなければ、債権が消滅しますので、
相続人の請求に応じる必要がなくなるというものです。
ただ、一般的な債権の時効については上記の期間になりますが、
銀行の担当者が判断する内容になるため、
銀行によって対応が違っています。
たとえば、亡くなった人の銀行口座が凍結されてから、
10年以上の期間が経過していても、
相続手続きに応じる銀行もかなり多いようです。
しかし、時効などの心配事を事前に防ぐためには、
亡くなった人の銀行口座を、何年もそのままにすることなく、
速やかに相続手続きをした方が良いということです。
もし、亡くなった人の銀行口座の凍結をそのままにしておいても、
それによって何か損することはあっても、
得することはあまりないからです。
また、亡くなった人の銀行口座が凍結されている期間中は、
亡くなった人の相続人であっても、親族であっても、
1円も引き出すことはできません。
もし、葬式費用や、相続税の支払いがあれば、
亡くなった人の預貯金を相続するまで、
相続人が立て替えるしかない、ということもあります。
そのため、そういった費用が高額な場合、
銀行の相続手続きについては、
ある程度早い段階で準備して、済ませておく方が良いのです。
また、銀行口座の凍結期間が長ければ長いほど、
今の相続人が亡くなってしまう可能性が高くなり、さらに新たな相続人が増えて、
相続手続きが今よりも複雑になってしまうこともあります。
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