この記事の監修者
行政書士 寺岡孝幸の顔写真

行政書士・土地家屋調査士 寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
保有資格:行政書士、土地家屋調査士。
取扱い分野:相続関連手続き全般。

経歴:開業以来17年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行っています。
行政書士のプロフィールはこちら

亡くなった人が遺言書を残している時と、
残していない時とでは、
銀行の相続の流れは、大きく違ってきます。

なぜなら、亡くなった人が遺言書を残している場合には、
銀行の相続手続きよりも前に、
家庭裁判所で、遺言書の検認(けんにん)の手続きが必要だからです。

亡くなった人が自筆で書いて残した遺言書は、
封がされている場合も、封がされていない場合にも、
そのままでは、銀行などの相続手続きに使用することはできません。

まずは、亡くなった人の住所地を管轄している家庭裁判所に、
遺言書の検認申し立ての手続きを行い、
遺言書に検認済み証を添付してもらう必要があるのです。

銀行では、亡くなった人の遺言書に、
家庭裁判所の検認済みがされているかどうかを見て、
相続手続きに使用できるかどうかを判断します。

もし、銀行の相続手続き書類として、
検認を受けていない遺言書を、銀行に提出したとしても、
まず、家庭裁判所で検認を受けてください、と言われるだけです。

ただ、家庭裁判所の遺言書の検認手続きでは、
単に、亡くなった人の遺言書だけあれば良いというわけではなく、
他にも、家庭裁判所に提出しなければならない添付書類があります。

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行政書士・土地家屋調査士 寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
保有資格:行政書士、土地家屋調査士。
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まず、家庭裁判所の遺言書の検認手続きに必要な書類としては、

① 亡くなった人の生れてから亡くなるまでのすべての戸籍の謄本類

② 法定相続人全員の戸籍の謄本類

③ 遺言書の検認申し立て書(ゆいごんしょのけんにんもうしたてしょ)

④ 亡くなった人の遺言書

以上の4点となります。

ちなみに、上記①の亡くなった人のすべての戸籍の謄本類と、
②の法定相続人全員の戸籍の謄本類については、
銀行の相続手続きでも、提出しなければならない書類です。

そのため、遺言書の検認の手続きや、銀行の相続を進めるためには、
まず最初に、相続に必要な戸籍の謄本類を集める必要があるわけです。

ではなぜ、遺言書の検認でも、それらの戸籍の謄本類が必要かと言えば、
遺言書の検認を申し立てた後、家庭裁判所が検認日を決めて、
そのことの通知文書(または、通知ハガキ)を、
法定相続人全員の住所宛てに発送しなければならないからです。

つまり、亡くなった人の法定相続人全員を、
家庭裁判所が把握するために、
亡くなった人のすべての戸籍と、法定相続人の戸籍の謄本類が必要なのです。

もし、遺言書の検認にも必要な亡くなった人や相続人全員の戸籍類でお困りの方は、
簡単な解決方法はこちら ⇒ 銀行の相続手続きに必要な戸籍で困っていませんか?

そして、遺言書の検認日には、法定相続人の内、
家庭裁判所に来ることが可能な人が集まり、
法定相続人全員の目の前で、遺言書を開封する流れになっています。

もし、遺言書に封がされていなければ、
家庭裁判所に来ている相続人全員が、
遺言書の内容等を確認する流れになります。

以上のように、遺言書の検認手続きは進みますので、
検認の手続きが完了するまで、
期間的には、約1ヶ月~2ヶ月は見ておいた方が良いでしょう。

そして、家庭裁判所での検認が無事に終われば、
遺言書に、家庭裁判所の検認済み証明書などが添付されますので、
それによって、銀行の相続手続きに進むことができるのです。

銀行の相続手続きでは、その検認済みの遺言書と、
亡くなった人と法定相続人の戸籍の謄本類と、
銀行が指定する用紙を、銀行に提出する流れになります。

なお、銀行が指定する用紙は、
銀行によって枚数や様式が異なりますので、
事前に確認して、銀行が指定する用紙を作成する必要があります。

以上、遺言書がある時の銀行の相続は、
だいたい上記のような流れで進んでいくことになるのです。

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