「亡くなった人の財産は、何をどう調べたら良いのかよくわからない」
「亡くなった人の財産を調べたけど、他にもあるかもしれない・・」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
亡くなった人の財産を調べる場合、
故人の持ち物でも重点的に調べるべきポイントがあり、
金融機関や役所で調べる方法もあります。
もし、重点的に調べるべきポイントを外していたり、
金融機関や役所で調べる方法も知ってないと、
結果、全ての財産を見つけられないこともあります。
なぜかというと、たとえば「故人の通帳の入出金」や、
「故人が使用していたパソコン・スマホなど」からでしか、
なかなか発見できないような財産もあるからです。
また、発見した「財産の手がかり」を元に金融機関で調べたり、
はっきりした財産の手がかりが無くても、
金融機関や役所で故人の財産の有無を調べることもできるからです。
ただ、亡くなった人の財産を調べる際には、
預貯金や不動産などの”プラスの財産”だけでなく、
借金などの”マイナスの財産”も同時に調べる事も重要になります。
そこで、亡くなった人の財産を調べる方法について、
実際に相続手続き業務を行っている行政書士が、
具体的にわかりやすく解説致します。
![行政書士 寺岡孝幸の顔写真](https://kosekitouhonn.com/wp-content/uploads/2020/04/kannsyuusya.png)
行政書士・土地家屋調査士 寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
保有資格:行政書士、土地家屋調査士。
取扱い分野:相続関連手続き全般。
経歴:開業以来17年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行っています。
行政書士のプロフィールはこちら
この記事のノウハウを全て実践すれば、亡くなった人の財産を、
「効率良く」、できる限り「抜かりなく」調べる事ができるようになります。
亡くなった人の財産を調べるポイント
亡くなった人の財産を調べる場合、
次の5つを重点的に調べるのがポイントです。
- 故人の財布や机の引出し、棚や金庫など
- 故人宛ての郵便物や郵便ポスト
- 故人名義の預金通帳や貯金通帳の入出金明細
- 故人のパソコンやスマホの中身
- 金融機関や役所
これらを調べてみることで、
それぞれどういったものが見つかりやすいか、
1つずつ解説していきます。
故人の財布、机の引出し、棚、金庫、仏壇等を調べる。
![](https://kosekitouhonn.com/wp-content/uploads/2023/04/siraberupoinnto.png)
故人の財布や机の引出し、棚、金庫、仏壇などを調べると、
次のような「財産の手がかり」が見つかりやすいです。
- 銀行預金の手がかり ⇒ 通帳、キャッシュカード、口座開設時の書面
- 不動産の手がかり ⇒ 固定資産の納税通知書や課税明細書、権利証、売買契約書
- 死亡保険の手がかり ⇒ 生命保険の加入契約書や継続書類
- 株式等の手がかり ⇒ 証券会社の口座開設書類控え、取引き報告書
- 権利の手がかり ⇒ 賃貸借契約書など
- 動産 ⇒ 現金、商品券、プリペイドカード、宝石、貴金属、絵画、骨董品等
これらはすべて、プラスの財産となりますが、
次のような「マイナスの財産の手がかり」が見つかる事もあります。
- 負債の手がかり ⇒ 借用書、住宅ローンの契約書、請求書
- 債務の手がかり ⇒ 故人が保証人や連帯保証人になっている契約書
ただ、人によっては保管場所が異なったり、
タンスの隅などにあえて隠している場合もあるため、
できれば故人の部屋を中心に、家中くまなく調べてみる事も必要です。
もし、「故人が生前に作った財産リスト」や、
「エンディングノート」が見つかれば、
相続財産を調べる相続人の労力はかなり少なくなります。
故人宛ての郵便物や郵便ポストを調べる。
![](https://kosekitouhonn.com/wp-content/uploads/2023/04/yuubinbutu.png)
故人宛ての郵便物を調べることで、
故人の財産の手がかりが見つかることがあります。
特に、銀行や証券会社からの郵便物や、
市区町村役所からの郵便物は要チェックです。
なお、故人の郵便ポストについても、
亡くなった後に送られてきた郵便物がたまって、
そのままになっていることもあるので確認しておきましょう。
故人宛ての郵便物を調べると、
次のような「財産の手がかり」が見つかりやすいです。
- 銀行預金の手がかり ⇒ 銀行からのお知らせ、定期の満期通知
- 株式等の手がかり ⇒ 証券会社からの年間取引きの明細通知等
- 不動産の手がかり ⇒ 市区町村からの固定資産税の納税通知書や課税明細書
- 死亡保険の手がかり ⇒ 生命保険の継続書類
もし、銀行や証券会社からの何らかの郵便物があれば、
その金融機関で口座を持っている可能性が高いです。
市区町村から固定資産の納税通知書や課税明細書があれば、
故人の不動産の所有状況を確認できます。
そして、これらはすべて”プラスの財産”ですが、
次のような”マイナスの財産”が見つかる事もあります。
- 負債の手がかり ⇒ 督促状、請求書など
故人名義の預金通帳や貯金通帳の入出金明細を調べる。
![](https://kosekitouhonn.com/wp-content/uploads/2023/04/nyuusyukkinn.png)
故人名義の通帳の入出金明細を調べることで、
他の銀行口座の存在や取引きしている証券会社の有無、
保険料や借入金、ローンの支払いの有無など、
他の相続財産の手がかりが見つかることがあります。
具体的には、次のような「財産の手がかり」が見つかりやすいです。
- 銀行預金の手がかり ⇒ 故人名義の他銀行口座への出金記録
- 株式等の手がかり ⇒ 証券会社からの入金記録
- 不動産の手がかり ⇒ 固定資産税の引き落とし出金
- 死亡保険の手がかり ⇒ 保険料の引き落とし出金
- 負債の手がかり ⇒ 借入金やローン、クレジットの引き落としなど
たとえば、故人名義の他行への出金記録があれば、
その銀行にも口座を持っている可能性があります。
証券会社からの入金記録があれば、
その証券会社に証券口座を持っている可能性が高いです。
保険会社名での引き落とし記録があれば、
その保険会社で生命保険を契約している可能性があります。
故人のパソコンやスマホの中身を調べる。
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最近では、通帳などのペーパーレス化が進んでいるため、
銀行の通帳を持たずに、ネットバンク(ネット銀行)や、
ネットバンキングのみを利用している人もいます。
ちなみにネットバンク(ネット銀行)というのは、
実店舗やATMをほとんど持たず、
インターネット上で運営している銀行のことです。
インターネットバンキングというのは、
インターネット上で銀行口座の残高照会や振込などを行うことです。
ネットバンクや、ネットバンキングの利用の有無を知るには、
通帳といった物としてのヒントがないため、
故人のパソコンやスマホの中身を調べることが非常に重要になります。
![](https://kosekitouhonn.com/wp-content/uploads/2023/04/nettosyouken.png)
また、銀行だけでなく証券会社についても同様で、
インターネット上で売買できるネット証券があり、
そういった証券口座を故人が利用していれば、
故人のパソコンやスマホからでないと見つけるのが難しいのです。
なぜなら、故人がネット証券を利用していれば、
本来は郵便物として送られてくる取引報告書なども、
すべてネット上で閲覧という形になっていることもあるからです。
金融機関や役所で調べる。
亡くなった人の持ち物やパソコン・スマホなどから、
故人名義の銀行口座がいくつか見つかったけど、
他にもあるのではないかと思うこともあります。
そんな時には、口座がありそうな銀行や証券会社で、
口座照会をしてみたり、不動産がありそうな市区町村役所で、
故人名義の不動産の名寄帳及び評価証明を取得するのも1つの方法です。
亡くなった人の口座の有無を金融機関で調べる。
たとえば、亡くなった人の自宅や職場の周辺にある銀行では、
亡くなった人が口座を作っている可能性が高いです。
ただし、金融機関で口座照会に対応してもらうためには、
少なくとも次の3つの書類が必要となります。
- 亡くなった人の死亡記載のある戸籍謄本又は除籍謄本
- 亡くなった人の相続人であることがわかる戸籍謄本類
- 本人確認書類(運転免許証または個人番号カードなど)
上記の書類が無ければ、たとえ口座の有無だけであっても、
銀行などの金融機関は教えてくれないので注意が必要です。
なお、口座の有無を金融機関で調べる具体的な方法については、
「亡くなった人の預金を調べるには?」で、
さらに具体的にくわしく解説しています。
亡くなった人の不動産を調べる。
亡くなった人の借入金などの有無を調べる。
亡くなった人の財産を調べる作業は、相当な時間と労力が必要ですが、
効率的にポイントを押さえて調べることで、
すべての財産を見つけることは不可能ではありません。
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