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行政書士・土地家屋調査士 寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
保有資格:行政書士、土地家屋調査士。
取扱い分野:相続関連手続き全般。

経歴:開業以来17年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行っています。
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JAバンク(農協)の相続手続きは、
他の銀行の相続手続きとは、大きく異なる点が、
2点あります。

1点目は、他の銀行の相続手続きでは、
銀行指定の手続き用紙は、1枚程度なのですが、
JAバンク(農協)では、4、5枚と多いことです。

ただ、他の銀行では、1枚の用紙におさめている内容を、
JAバンク(農協)では、
数枚に分けているというイメージもあります。

2点目は、他の銀行の相続手続きでは見かけないのですが、
JAバンク(農協)では、
出資金の相続手続きというものがあります。

JAバンク(農協)で銀行口座を作る時には、
ほとんどの人が出資金を出していて、
多い人だと、数百万円の出資をしている人もいるようです。

その出資金の相続手続きについても、
JAバンク(農協)の銀行預金の相続手続きとは別に、
且つ、同時にしなければならない点です。

そして、この出資金の相続手続きのための書類も、
4、5枚程度はあり、
JAバンク(農協)の銀行預金の相続手続き書類と同時に提出する必要があります。

つまり、JAバンク(農協)の銀行預金の相続と、
出資金の相続を、
切り離して手続きすることはできないということです。

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また、出資金の相続については、
たとえ相続手続きが完了したとしても、
すぐに、相続人の銀行口座に、出資金が振り込まれるわけではありません。

出資金については、銀行預金とは異なり、
半年に一回の総会にかけて、
その総会を経ることによって、出資金の相続手続きが完了することになります。

そのため、JAバンク(農協)の相続手続きを行う時期によっては、
亡くなった人の出資金については、
約半年後に、相続人の銀行口座に振り込まれる、といったこともありえるのです。

ただ、JAバンク(農協)にある亡くなった人の銀行預貯金については、
半年に一度の総会など関係なく、
相続手続き完了時に、相続人の銀行口座に振り込まれます。

つまり、JAバンク(農協)の相続手続き完了時の支払いは、
普通預金や定期預金の解約時の支払いと、
出資金の解約時の支払いの2回になるということです。

いずれにしましても、JAバンク(農協)の相続手続きを進めるためには、
まずは、亡くなった人の口座のある支店に、
亡くなった事実を伝える必要があります。

亡くなった事実を伝える方法としては、
JAバンクの各支店に出向いて知らせる方法と、
電話で伝える方法があります。

その際、亡くなった人の住所、氏名、生年月日、
口座番号などを、支店担当者に聞かれますので、
それに答えることができれば、亡くなった人の口座が凍結されます。

その時に、JAバンク(農協)が用意している手続き用紙をもらい、
相続手続きに必要な戸籍の謄本類や、遺産分割協議書を作成して、
代表相続人から、JAバンク(農協)の支店に提出する流れになるのです。

なお、JAバンク(農協)が用意している手続き用紙については、
他の銀行と比べて、用紙の枚数が多いですが、
支店が遠方で行けない場合には、郵送でも送ってもらえます。

ちなみに、JAバンク(農協)では、メガバンクのように、
相続センターといった部署がまだないので、
相続手続きについては、各支店で行われることになっています。

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